ブログ

扇子の小噺 ‐涼しい豆知識‐ vol.10
「源氏物語 “恋する”扇子」

扇子

こんばんは。
暑い日が続きますが、皆さん扇子を持ち歩かれてますか?
今の時代は冷房があるので快適ですが、今より気温が低かったとはいえ昔は暑かっただろうな…と扇子やうちわを使うたびに昔に思いを馳せてしまいます。
今回の涼しい豆知識 vol.10ではそんな日本の昔の生活が垣間見える、「源氏物語」におけるちょっと意外な扇子の役割をご紹介します。

源氏物語と言えば、日本初の長編小説とも言われている、大規模な恋愛ロマンス。

主人公は「光源氏(ひかるげんじ)」という恋多き男性。
彼を巡る美しい女性たちとの関係を描きながら、果てはその息子の「夕霧(ゆうぎり)」、孫の「匂宮(におうのみや)」や「薫」という後世にまで至る恋愛譚はどれも面白く目が離せません。

登場人物の中でも一般的に知られている女性といえば、生霊から怨霊化してまで光源氏を愛した人妻「六条の御息所(ろくじょうのみやすどころ)」や、光源氏が憧れ続けた義理の母「藤壺(ふじつぼ)」、その身代わりとして年の差がありながら育て上げて結婚した正妻「若紫(紫の上)」が有名でしょうか。

物語中にはいくつか扇子を巡ったやりとりが描かれています。
そのひとつは「夕顔」という名を与えられた女性と光源氏が出会う印象的な場面です。
生垣に咲く夕顔の花に興味を示した光源氏に向けて、彼女は和歌をしたためた扇子の上に夕顔の花をのせて、使いの者に渡させます。

夕顔

当時、女性が外に顔を出すことは厳禁。そこで、男女の仲を深めるものとして「和歌」が重要視されました。
その渡し方も含めて、どのように趣深く愛の言葉を伝えるかが大切にされていたんですね。

光源氏は「夕顔」の教養と素朴さに惹かれて恋がはじまりますが、残念ながら彼女は前述した六条の御息所という女性の生霊によって殺されてしまいます。

その他にも、一夜を共にした後で名を告げなかった相手を、交換した扇子を頼りに探す場面があったりと、「源氏物語」の中で扇子は暑さを緩和する道具というよりも、“恋を伝える小道具”としてひときわ美しい輝きを放っています。

興味を持った方はぜひ、日本の誇る恋愛小説を読んでみてください♪

関連記事

ページ上部へ戻る